映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は2016年に韓国で公開された韓国映画です。
ヨン・サンホ監督は本来アニメ監督で『新感染』が実写映画デビュー作になります。
もともとヨン・サンホ監督は『ソウル・ステーション/パンデミック』というアニメ映画の制作を行っていました。
ソウル駅は韓国経済発展の象徴ですが周辺にはホームレスが多数いて、韓国社会の表裏をあらわしています。
市民はそんなホームレスに対して存在しないもののように無関心を貫いていました。
もしホームレスの姿をしたゾンビが現れたら人々はどうするのか?
そんなモチーフで企画したのが『ソウル・ステーション/パンデミック』でした。
この『ソウル・ステーション/パンデミック』の企画中から実写でのリメイク案が出されていて、結果的に続編的な形で『新感染』の制作が始まりました。
そうして『新感染』が2016年7月20日に公開され、『ソウル・ステーション/パンデミック』が前日譚という形で8月18日に韓国で公開されました。
当時韓国ではゾンビ映画はヒットしないと言われており作中でも「ゾンビ」という言葉は一切使っていませんでしたが、『新感染』は予想以上の評判を呼びます。
カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門に特別招待されて大絶賛を受け、ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭監督賞・視覚効果賞を受賞するなど世界的にも高い評価を受けています。
続編の制作やハリウッドでのリメイクも決定しており、まだまだ今後も楽しみなコンテンツです。
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を配信している動画配信サービス(ビデオ・オン・デマンド)一覧
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映画 | アニメ映画 | |
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作品名 | 新感染 ファイナル・エクスプレス | ソウル・ステーション/パンデミック |
公開日 | 2017年9月1日 | 2017年9月30日 |
監督 | ヨン・サンホ | ヨン・サンホ |
主演 | コン・ユ | |
配給 | ツイン | ブロードウェイ |
hulu | - | - |
U-NEXT | ○540円 | - |
dTV | ○標準432円/HD540円 | - |
ビデオパス | ○540円 | - |
FOD | - | - |
Paravi | - | - |
ビデオマーケット | ○432円 | ○432円 |
Amazon | ○399円 | ○540円 |
Netflix | - | - |
2018年10月21日現在の情報です。
配信状況が変わっていることもありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の見どころと感想
あらすじ
しかし仕事が忙しく満足にスアンをかまってやれないソグはスアンの誕生日プレゼントも何を上げればいいのかまったくわからなかった。
結局以前にプレゼントしたものと同じ物を買ってきてしまったソグはプレゼントよりも母親に会いたいというスアンの望みを叶えるしかなくなった。
早朝から母親のいる釜山に向うためソウル駅から高速鉄道KTXに乗車。
しかしその時ソウル駅周辺では謎の暴動がおこっており、暴動に巻き込まれたと思われる手負いの女性が発車間際のKTXに駆け込んだ。
実はこの暴動はゾンビによるものでゾンビに噛まれた者は感染して自らもゾンビになってしまうのであった。
KTXに乗り込んだ女性もついに発症してしまい列車内は次々とゾンビが増殖する大パニックとなった。
キャスト
スアン : キム・スアン
ソンギョン : チョン・ユミ
サンファ : マ・ドンソク
ホームレス : チェ・グィファ
ヨングク : チェ・ウシク
ジニ : アン・ソヒ
ヨンソク : キム・ウィソン
ジョンギル : パク・ミョンシン
インギル : イェ・スジョン
乗務員 : チャン・ヒョクチン
ゾンビ映画で泣かされるとは思いませんでした。
ゾンビ映画といえば恐怖を描くものがほとんどだと思いますが、『新感染』に関してはホラーよりもヒューマンドラマの要素が強いように感じます。
パニックに陥ったとき人はどこまで利己的になってしまうのか?
自分の命が危険にさらされているときでも他人を助けることができるのか?
そうした人間社会の根源的なテーマと極限状態にこそ深まる親子、夫婦、姉妹の愛情を描いています。
ラストでは思いがけずホロッとさせられちゃいました。
同時期に日本で制作されたゾンビ映画『アイアムアヒーロー』とは真逆のアプローチです。
『アイアムアヒーロー』は徹底的にグロテスクです。
『アイアムアヒーロー』のゾンビはネッチョリした粘着質でとにかく気色悪いです。
力を合わせて難局を乗り越えるというシーンもありますが、基本的に自力で活路を見出す物語です。
『新感染』のゾンビはグロさはあまりありません。
ブレイクダンスを参考にして振り付けた動きが独特で、貞子の動きに似ています。
動作も俊敏です。
じわじわ迫ってくる恐怖ではなくて大量のゾンビが一気に襲いかかってくるハラハラ感で、むしろスピルバーグの映画のような危機一髪のサバイバルアドベンチャー映画の感覚です。
車内で1両ずつゾンビの群れを突破して生存者たちのところへ向う場面なんかはまんまアドベンチャーゲームで1面ずつクリアしていくような感じです。
なのでテンポよくスピーディーに展開していくので痛快さがあります。
公開当初はタイトルがイマイチで敬遠していました。
そういう人は結構多いようです。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』というのは邦題で原題の直訳は『釜山行き』です。
確かに『釜山行き』では日本人には伝わりにくい題名でしょう。
日本で新幹線にあたる高速鉄道内で発生するゾンビパンデミック感染なんで『新感染』。
上手なような安直なようなちょっとダサいネーミングで映画の格を下げてしまってる感は否めません。
けれども作品自体はとても上質で面白い作品に仕上がっています。