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映画『くちびるに歌を』が観れる動画配信サービス&実際に鑑賞した感想

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『くちびるに歌を』は2011年に発刊された中田永一さんによる小説です。
シンガー・ソング・ライターのアンジェラ・アキさんの2008年のヒット曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」がモチーフとなっています。

「手紙」はもともとNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書き下ろされた曲です。
この曲を介してアンジェラ・アキさんと合唱コンクールに出場する中学生たちが交流する様子を記録したドキュメンタリー番組が制作されました。

そのドキュメンタリーを題材として著されたのが『くちびるに歌を』です。

『くちびるに歌を』は評判を呼び本屋大賞の4位に入るなど高い評価を受けました。

そうして2015年に新垣結衣さん主演で映画化されました。

『くちびるに歌を』を配信している動画配信サービス(ビデオ・オン・デマンド)一覧

『くちびるに歌を』を鑑賞できる動画配信サービスの一覧です。

hulu、U-NEXT、dTV、FOD、Paravi、ビデオマーケット(VM)、Amazonプライム・ビデオ、Netflixそれぞれ動画視聴可能なものに印をつけてあります。

◎は見放題、〇はPPV(ペイ・パー・ビュー)です。

見放題は月額料金だけで好きなだけ視聴ができます。
PPVは月額料金とは別に視聴作品ごとに料金が必要で、期間限定のレンタルです。

作品名くちびるに歌を
公開日2015年2月28日
監督三木孝浩
主演新垣結衣
配給アスミック・エース
hulu-
U-NEXT
dTV
FOD
Paravi-
ビデオパス
ビデオマーケット〇432円
Amazon
Netflix

2019年1月6日現在の情報です。
配信状況が変わっていることもありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

 

私自身はあらすじはもちろんイントロダクションやキャッチコピーすら見ずに、つまり何の予備知識も持たずに、ただただ新垣結衣さんの顔を見たいという不純な動機で見始めました。

『くちびるに歌を』はアンジェラ・アキさんのヒット曲「手紙~拝啓 十五の君へ」をモチーフとした小説の実写化なのですが、見てる途中で「そういえば公開前にテレビで頻繁に宣伝してたな」と思い出したぐらいです。

 

新垣結衣ちゃん目当てで見始めたはずなのに、物語に引き込まれてガッキーそっちのけで映像に見入っていました。

 

新垣結衣さんはこの映画の主演ですが、実際は脇役じゃないかと思います。

話を回す狂言回しって言えばいいですかね。

 

本当の主役は合唱部の子どもたちで、その子たちの物語を引き出したりつないだりする役割をしていたのがこの映画でのガッキーじゃないかなと思います。

 

 

こういう感動作はあざとさが見えてしまうと途端に陳腐なお涙頂戴ものになって白けてしまいます。

でもこの作品はいかにも「泣かせてやろう」というのが全く感じられず、とても自然に感情移入できます。

 

それは子供たちの演技が素晴らしかったからじゃないかと思うんです。

田舎で育った純粋で無垢な15歳の子どもたち。

ちょっと良い子たち過ぎないかと思わなくもありませんが、「中学生にはこうあってほしいよね」という姿が描かれています。

 

『くちびるに歌を』あらすじ

舞台は長崎県五島列島の離島に建つ中五島中学。

 

全国コンクールを控えた合唱部だったが、顧問の松山ハルコが産休に入ってしまった。

代理を頼まれたのがハルコの同級生でピアニストとして活躍していた柏木ユリ。

 

けれどもユリはいつもしかめっ面でロクに合唱の指導もしようとしないため部長の仲村ナズナは不満を募らせていた。

 

東京で美人ピアニストとして名を馳せていた柏木先生に男子生徒たちは色めき立ちます。

柏木先生目当てに合唱部に入部してくる男子。

ひょんなことから自閉症の兄を持つ桑原サトルも入部します。

 

 

なんだかんだありながら次第にまとまるようになってきた合唱部。

そうしていよいよ全国コンクール当日を迎えます。

 

『くちびるに歌を』の感想 ※ここからネタバレ注意

 

私の感想ではこの映画は主役はいません。

登場人物全員がそれぞれ大切な役割を持っていて全員で物語を創り出しています。

 

ただキーパーソンとして特に重要な役回りを果たすのが生徒役の仲村ナズナと桑原サトル、そしてガッキー扮する柏木先生です。

 

リアルな思春期の描写

ナズナは母親を病気で亡くし、父親は女を作って家出してしまいました。

合唱部の部長として前向きで明るいナズナですが父親のトラウマから男を毛嫌いします。

 

練習せずにふざけて遊んでいる男子部員に「だから男はしょうもない!くそったれ!!」とブチ切れるナズナ。

そんなナズナに「自分の父親と一緒にするな」となじる2年生部員。

 

それを聞いたナズナの幼馴染のケイスケは2年生を殴りつけようとします。

 

 

ことばだけで書くといかにも”青春モノ”って言う感じになってしまいますが、映画で見た時はとてもリアリティを感じました。

そういえば中学時代にも真面目で一生懸命な奴もいれば、いい加減でいつもふざけてる奴もいて、一生懸命な奴が熱くなってふざけてるやつらにムカついているってことあったよなあ・・・

 

ろくでなしの父親がいることで心に深い傷を負っているナズナですが、さらに田舎であるからこそ噂が広まるのも早くて、みんなが自分の父が駆け落ちしたことを知っているというのが追い打ちをかけます。

 

こんな境遇になったら押しつぶされて不登校・引きこもりになる人やグレる人もいるでしょうね。

ナズナは歌うことを支えにして懸命に生きていこうとします。

 

多分こういうナズナを見て「きれいごと」のように感じる人もいるでしょう。

でも「どんなにつらいことがあっても前を向く」ことの大切さを伝えようという意志が制作者にはあったんじゃないかと感じます。

 

そしてそれを体現したナズナ役の恒松祐里さんの演技も素晴らしかったと思います。

人それぞれの生きる意味

桑原サトルの兄は自閉症でサトルの世話がなければ生活できません。

合唱部の練習に参加してしまうと兄の面倒を見ることができなくなるので部活をやめようかどうか迷います。

 

実際に兄のお迎えに間に合わなくて父親に怒叱られます。

 

このシーンは「この父親酷くねーか」「これじゃサトルは兄貴の奴隷じゃん」「サトルには自分のやりたいことをやる自由がないのか」という印象を与えるシーンだと思います。

 

けれどもサトルは決して兄の世話を嫌がっているわけではないということが後に分かります。

それどころか「自閉症の兄がいたからこそ自分は生まれてこれた」と感謝し「兄の面倒を見ることが自分の使命」と考えています。

 

こういう発想はとても新鮮に響きました。

 

自分の”生まれてきた意味”や”生きる意味”というのを誰しも若いうちに1度や2度は考えるものです。

でも年齢を重ねるうちに次第にあきらめの気持ちが強くなってきます。

 

思い通りにいかないことや辛いことを経験するたびに自信がなくなり自分が生きる価値を見出せなくなります。

その象徴が柏木先生です。

 

子どもから学ぶべきこと

柏木先生は最愛の彼を交通事故で亡くしました。

その事故の原因は自分だという自責の念にかられて殻にこもり、ピアノが弾けなくなってしまったのです。

 

けれども柏木先生はサトルから”生きる意味”を教わります。

そして自分のピアノが人を幸せになることを信じて再びピアノに向き合います。

 

この映画を見ていると大人ほどろくでなしになっていくことがよく分かります。

その代表がナズナの父親です。

 

改心した様子で帰ってきた父を見てやり直せると信じようとしたナズナでしたが、そんなナズナの気持ちをバッサリと切り裂いてお金を持ち出してまた姿をくらまします。

 

ナズナは「お父さんに2回捨てられた」と深く傷つきます。さらに「自分が生まれてこなければ母はあんな男と結婚せずに済んだのに」と自分を責めます。

 

柏木先生はそんなナズナの傷を癒そうとどうしても弾けなかったピアノに向き合ったのです。

それは同時に柏木先生自身の尊厳を取り戻すことにつながります。

 

 

つまずいた大人が子どもたちから生きる意味を教わります。

そうして立ち上がった大人が傷ついた子どもを癒すことができます。

 

生きていく中では必ず心に傷を負ったり心が折れたりすることがあります。

そうした時にちょっとした言葉だったり行動だったり考え方が大きな生きる支えになることがあります。

それをお互いに与え合って生きていくということがこの映画の根っこにある主題です。

 

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