『恋空』は2005年から魔法のiランドで掲載されたケ-タイ小説です。
2006年に書籍化され、2007年に映画化、2008年にテレビドラマ化されました。
書籍は200万部以上を売り上げ、映画も300万人以上を動員して39億円の興行収入と大ヒットとなりました。
当時は全く興味がなくて完全スルーしてましたが、ミスチルの主題歌で盛んに宣伝していたので記憶には強く残っていました。
それで何となくVODを見ていたときにふっと『恋空』が目について「ちょっと見てみようかな」という気になったのです。
こうやって気軽に見始められるのはVODのいいところです。
何といっても10代の新垣結衣ちゃんが出ているというのが興味を引きますよね。
私のように「ちょっと『恋空』を見てみようかな」と思った方におすすめのビデオ・オン・デマンドをご紹介します。
『恋空』を配信している動画配信サービス(ビデオ・オン・デマンド)一覧
『恋空』を鑑賞できる動画配信サービスの一覧です。
hulu、U-NEXT、dTV、FOD、ビデオマーケット(VM)、Amazonプライム・ビデオ、Netflixそれぞれ動画視聴可能なものに印をつけてあります。
◎は見放題、〇はPPV(ペイ・パー・ビュー)です。
見放題は月額料金だけで好きなだけ視聴ができます。
PPVは月額料金とは別に視聴作品ごとに料金が必要で、期間限定のレンタルです。
作品名 | 放送日 | 放送 | hulu | U-NEXT | dTV | FOD | VM | Amazon | Netflix | |
映画 | 恋空 | 2007年11月3日 | 東宝 | ○ | ○ | ◎ | ◎ | |||
テレビドラマ | 恋空 | 2008年8月2日 - 2008年9月13日 | TBS | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
『恋空』を見るならAmazonプライム・ビデオで決まり
Amazoプライム・ビデオでは400円の月額料金だけで映画版もドラマ版も全部見放題になります。
『恋空』を見た個人的感想
私はあまり自分の見た映画やドラマのことを悪く書くことはありません。
というのも人それぞれ「好み」があると思っているからです。
私がつまらなかったと思う映画でも「超おもしろい!」と思う人はいるでしょうし、私には違和感が残るというシーンでも「メッチャ共感できる!」という人もいるでしょう。
だから「私には合わなかった」と書くことはありますが、「ダメだ」と切り捨てることはしません。
・・・なのですが映画『恋空』に関してははっきりと「駄作」と言い切れます。
まあひどい出来ですよ。
最初の30分ぐらいで見るの辞めたくなったんですが、なんとか最後まで見切りました。
ひとえにガッキーがかわいかったからです。
本当に新垣結衣ちゃんがかわいいことぐらいしか見どころはないですね。
それでもリーガル・ハイとか逃げ恥とかの今のガッキーの可愛さと比べると数段落ちますけどね。
見終わった後に情報を集めてみても酷評だらけでした。
原作を否定するつもりはありません。
「本を読んだことがないような素人が書いた稚拙な文章を、普段本を読まないような低レベルな読者が読んでいるとても文芸とは言えないジャンル」なんて言う酷い意見もありましたが、それはちょっと違うかなと思います。
ケータイ小説は素人が実体験を元にして読者が携帯電話で見ることを前提として書いたものです。
読者も同世代の人が自分の境遇と照らし合わせて共感しながら読んでいます。
いわば友達から送られてきたメールで身の上話を読んでいるようなものです。
私的なおしゃべりといってもいいでしょう。
その意味であくまで閉じたコミュニティであって、同じ価値観を持った者同士で一つのコンテンツを楽しむのはアリだと思います。
何よりもハードルの高い「小説を書く・読む」という行為を手軽に始められて、作者と読者が双方向的に楽しむことができる場ができたことはインターネットの大きなメリットを生かしています。
中にはケータイ小説をきっかけにして創作活動に目覚めてスキルを磨き、本格的に作家としての道を切り開くという人も出てくるかもしれません。
そういう意味でケータイ小説自体には意義があると思います。
けれども映画化はそのケータイ小説のブームに乗っかって商業的成功を狙うことです。
『恋空』もそうでしたが大々的に宣伝を行ってケータイ小説とは縁遠い人たちも巻き込んでいきます。
「嫌なら見なきゃいい」なんていう人もいますが、映画は見てみないと面白いかどうかはわかりません。
広告宣伝は当然面白そうに見せかけます。
ミスチルの主題歌まで使ってますから、そりゃいかにも面白そうに見えましたよ。
そこまでするからには実際に料金を払って見た人が「損した」気分にならないように高品質な作品を提供することは映画製作者の責務です。
何より映画製作は”プロ”の仕事です。
素人同士があえてその素人感覚を楽しむケータイ小説とは市場が違います。
映画『恋空』の何がひどいかっていうと肝心かなめの「心理描写」がまったくできていないことです。
この作品では不幸な出来事が立て続けに起こります。
主人公の美嘉がレイプされます。
レイプされた後だというのに取り乱すとか呆然となるとかいうこともなく落ち着いています。
そのあと何事もなかったかのように平然と日常生活を送っています。
高校1年生なのにほぼ初対面の男と会ってすぐにセックスします。
初体験のはずですが緊張感がまったく感じられません。
男に「もしかして初めてなのか?」と言わせて無理やり緊張してますアピールする始末です。
そしてすぐに妊娠させます。
妊娠が発覚した時の家族の様子はまるで他人事のようです。
あげく転んでその子を簡単に流産させてしまいます。
流産したこともまるでいい思い出なのかのように平然とその後も過ごしていきます。
挙げていけばキリがありませんがいい加減な演出にも程があります。
とにかくすべてが「軽い」んです。
たぶん原作に忠実に描いていったらこうなったのでしょう。
けれども何度も言いますが原作は悪くはありません。
素人が書いた原作で表層的な心理描写しかできていなかったとしても、映画化の際はそこをしっかり掘り下げて一つ一つのエピソードを深めるべきです。
そうしたプロ意識を放棄してただただ出来事を羅列していっただけ。
それでキラーフレーズをしゃべらせる時だけ音楽で無理やり盛り上げて感動させようとする。
あまりにも浅はかな作りで久々に映画を見て気分が悪くなりました。
と、ここまでボロクソに言っておきながら何ですが、それでも「私に合わないだけでこの映画に感動する人はいるかもしれない」という考えに変わりはありません。
「ひょっとしたら感動的な映画かも」と思う人や「どれだけ酷い映画なのか逆に見たくなる」という怖いもの見たさの人にはAmazoプライム・ビデオでの視聴をお勧めします。
間違ってもレンタル料金を払ってまで見る価値はありませんから、見放題対象になっているAmazoプライムで見てくださいね。
Amazoプライム・ビデオは月額料金が400円と格安ですし、映画版とドラマ版の両方が見放題できます。
わたしは映画版だけでうんざりしたのでドラマ版は見ていませんが、ひょっとしたらドラマの方は映画とは違った良さがあるかもしれません。
今までAmazoプライム会員になったことがない人であれば1か月無料でお試しすることができます。