『鍵泥棒のメソッド』は2012年に公開された堺雅人さん主演、内田けんじ監督の邦画です。
『運命じゃない人』『アフタースクール』とトリッキーなオリジナル脚本でファンの多い内田けんじ監督の長編映画3作目で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞を獲得しています。
2013年に大きな話題となった『半沢直樹』で共演することになる堺雅人さん、香川照之さんの実力派俳優に加え、広末涼子さんがヒロインとして華を添えています。
『鍵泥棒のメソッド』を配信している動画配信サービス(ビデオ・オン・デマンド)一覧
『鍵泥棒のメソッド』を鑑賞できる動画配信サービスの一覧です。
hulu、U-NEXT、dTV、FOD、Paravi、ビデオマーケット(VM)、Amazonプライム・ビデオ、Netflixそれぞれ動画視聴可能なものに印をつけてあります。
◎は見放題、〇はPPV(ペイ・パー・ビュー)です。
見放題は月額料金だけで好きなだけ視聴ができます。
PPVは月額料金とは別に視聴作品ごとに料金が必要で、期間限定のレンタルです。
作品名 | 鍵泥棒のメソッド |
---|---|
公開日 | 2012年9月15日 |
監督 | 内田けんじ |
主演 | 堺雅人 |
配給 | クロックワークス |
hulu | ◎ |
U-NEXT | ◎ |
dTV | - |
ビデオパス | - |
FOD | ○400円 |
Paravi | - |
ビデオマーケット | 〇324円 |
Amazon | ◎ |
Netflix | ◎ |
2019年1月7日現在の情報です。
配信状況が変わっていることもありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
『鍵泥棒のメソッド』の見どころと感想
なんとなく「映画でも見よっかな」と思って、なんとなくVODで目に入ったので、なんとなく見始めた『鍵泥棒のメソッド』。
予備知識は「貧乏役者と凄腕の殺し屋が入れ替わる」というイントロダクションをサラッと読んだだけ。
でも最初のシーンで結構食いついてしまいました。
オープニングは広末涼子さんが演じる雑誌編集長の水嶋香苗が編集部員たちに終業を告げるシーンです。
終業時刻になってデスクの上を片付けはじめる香苗さん。
一通り整理した後、なんとデスクの上にハンディクリーナーをかけます。
しかも直線的に。
超几帳面な行動が笑えます。
そして業務連絡をした後に「プライベートなことですが」と前置きしたうえで「結婚することにしました」と宣言します。
「お相手は?」という質問に対して「まだ決まっていません」。
なんじゃそりゃ!?
さらに「結婚を望んでいる男性がいたら紹介してください」とみんなにお願いします。
ポカーンとする部員たち。
そりゃそうなるわな。
すると一人の男性が「社内の男性が立候補してもいいんでしょうか?」と問いかけます。
おお、すごい勇気だ!確かにヒロスエと結婚できるなんてあり得ないチャンスだよな。
返事は「一通り検討しましたが可能性が感じられる方はいませんでした」とあえなく撃沈。
「そうですか・・・」と弱弱しく引っ込む男性社員の姿がまた笑えます。
そしたら副編集長みたいな感じの女性が「みなさんできるだけ協力しましょう」と真顔で言います。
そして「目標としてはいつ頃までに」とまるで仕事の打ち合わせのようにスケジュールを確認して「頑張りましょう!」と締めくくります。
そんなアホな、という展開です。
のっけからとぼけたシチュエーションではっきりと「これはコメディ映画です」と主張しています。
でも爆笑を取りに行くのではなくクスッと笑わせようというタイプのコメディですね。
好き嫌いが分かれそうですが、私はこういうゆるい感じは好きです。
続けて香川照之さんが演じるコンドウが暗殺をする場面。
ターゲットを刺殺した返り血がベッタリレインコートについています。
それをすかさず脱いで袋に入れて車を発進させます。
ものすごく手際がよくていかにも凄腕な感じです。
そして堺雅人さんが演じる桜井が登場。
どうやら首吊り自殺しようとしていたみたいです。
でもできなくって情けない顔をしています。
煙草を吸おうとして箱を手に取りますが空っぽ。
財布を開けると千数百円しか入っていない。
このへんの堺さんの表情がまた面白いです。
この映画はとっても役者さんたちの表情に引き付けられました。
堺さんの情けない表情。
香川さんの殺し屋としての鋭い目つきと記憶をなくして戸惑っている顔のギャップの大きさ。
広末さんのクソ真面目な表情。
実力派の役者さんが揃っている映画なので、そのあたりの演技力はさすがだなと思わされます。
この後、お風呂屋さんでコンドウと桜井が出くわします。
そしてコンドウは浴室ですっころんで頭を打って記憶をなくしてしまいます。
ここでコンドウが転んだ理由も「ありえねーよ!」という出来事なんですが、やっぱり可笑しいです。
コンドウが気絶している隙に桜井は自分のロッカーの鍵とコンドウのロッカーの鍵をすり替えてしまいます。
これが『鍵泥棒のメソッド』というタイトルの「鍵泥棒」のことですね。
そうしてしばらく二人は入れ替わって生活していくわけですが、コンドウの記憶が戻るまでの間にダメ男の桜井はとてもヤバいことになってしまいます。
果たしてこの窮地を乗り越えられるのか!?
というようなあらすじなわけですが、あんまりこの映画に関しては結末のことは考えずに気楽に見たほうがいいんじゃないかなと思います。
別に大きなどんでん返しがあるわけでもないし、伏線が張り巡らされているわけでもありません。
感動したり何かが心に響くということもありません。
たぶんメッセージ性があるわけでもないでしょう。
ストーリーは見ていてスッと頭に入ってきます。
あえてそういう部分に観客の頭を使わせないように分かりやすく作ってあるんじゃないかな。
話の筋は一応あるけどそれがメインではなくて、場面ごとのやりとりだとかシチュエーションとか表情の可笑しさを楽しむ。
言葉とか動きじゃなくて間で笑わせる。
お腹を抱えて笑うようなおもしろさではなくて、クスッと笑える可笑しさですね。
こういうまったりした笑いは私は好きです。