『イニシエーション・ラブ』は2004年に刊行された乾くるみさんの小説です。
ストレートな恋愛小説かと思いきやラストに大どんでん返しが待ち構えていて突然ミステリーに変貌するという異色作です。
「このミステリーがすごい」で第12位、「本格ミステリベスト10」で第6位とミステリーファンの間で非常に話題になりました。
2014年にお笑い芸人くりぃむしちゅーの有田哲平さんが『しゃべくり007』の中で「最高傑作のミステリー」と『イニシエーション・ラブ』を紹介しました。
それをきっかけにして人気が再燃。
20万部以上の増刷がかかって、結局130万部を超える大ヒット小説になったのです。
そのトリックは映像化不可能と言われていましたが、2015年に映画公開。
堤幸彦監督、前田敦子さんと松田翔太さん主演で興行収入13億円以上のヒットになっています。
目次
映画『イニシエーション・ラブ』が観れる動画配信サービス一覧
映画『イニシエーション・ラブ』が鑑賞できる動画配信サービスの一覧です。
hulu、U-NEXT、dTV、FOD、Paravi、ビデオマーケット(VM)、Amazonプライム・ビデオ、Netflixそれぞれ動画視聴可能なものに印をつけてあります。
◎は見放題、〇はPPV(ペイ・パー・ビュー)です。
見放題は月額料金だけで好きなだけ視聴ができます。
PPVは月額料金とは別に視聴作品ごとに料金が必要で、期間限定のレンタルです。
作品名 | イニシエーション・ラブ |
---|---|
公開日 | 2015年5月23日 |
配給 | 東宝 |
主演 | 松田翔太 前田敦子 |
hulu | ◎ |
U-NEXT | 〇¥432 |
dTV | ◎ |
FOD | |
Paravi | ◎ |
VM | 〇¥324 |
Amazon | 〇¥400 |
Netflix |
2018年7月28日現在の情報です。
配信状況が変わっていることもありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
『イニシエーション・ラブ』の見どころと感想
原作:乾くるみ
脚本:井上テテ
出演:松田翔太、前田敦子、木村文乃、森田甘路
三浦貴大、前野朋哉
森岡龍、矢野聖人、藤原季節
吉谷彩子、松浦雅、八重樫琴美
木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎
企画・製作:日本テレビ放送網
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:東宝
あらすじ
合コンで知り合って付き合い始めたマユと鈴木(たっくん)。
奥手で流行にも疎かったたっくんだが、マユにふさわしい男になろうとファッションやダイエットに努力を重ねようと誓った。
地元静岡の会社に就職したたっくんだったが、東京への転勤を命じられ二人は遠距離恋愛になってしまう。
次第に静岡に通うのがしんどくなっってきたたっくんの気持ちは同僚の美弥子にむいてしまう。
小説のキャッチコピーが「必ず二回読みたくなる」。
映画のキャッチコピーが「最後の5分全てが覆る。あなたは必ず2回観る。」
大々的にアピールしているとおり、この作品は大どんでん返しが最大の見所です。
ただ映画版のキャッチコピーは少々残念に思いました。
これだと最後にどんでん返しがあることがはっきりしてしまうので、素直に観ることができなくなってしまいます。
あんまり身構えて見てしまうと結末がわかったときに「なんだそんなことか」となりがちです。
『イニシエーション・ラブ』を観るならまずは深読みせずに映像を楽しんで、最後に思いっきり「えーっ!?」と驚いたほうが楽しいです。
あっちゃんの魅力があふれたマユ
監督は『TRICK』や『20世紀少年』で有名な堤幸彦さん。
小ネタやキャラクターの描写に定評のある堤監督ですから、1シーン1シーンに見応えがあります。
なんといっても良かったのが前田敦子さん。
真の主役と言える成岡繭子を演じました。
AKB48の絶対的エースと言われて熱狂的な人気を博したあっちゃんでしたが、AKB卒業後の女優活動は何かと批判的な意見を目にすることが多いものでした。
私自身はあんまりというか多分1度も前田さんの出演作品は見たことがなかったんですが、この『イニシエーション・ラブ』の前田さんを見て「あっちゃん、いいじゃん!」と思いました。
何がいいかって言うと「見事な甘えっぷり!」
たっくんへの甘え方や口調は「あざとい」と嫌悪感を感じる人もいるでしょう。
でも実際に付き合い始めの頃ってどうですか?
女性は結構あざとく甘えてイチャイチャしませんか?
そして男はそういう女性にコロッと騙されるもんなんです!!!
前田さんはさすがアイドルとしてトップをひた走ってきただけあって、男心をくすぐる術を心得ているように思います。
それがマユの小悪魔的なキャラクターにバッチリはまっていました。
印象的な80年代の音楽と小物
『イニシエーション・ラブ』は80年代の20代の男女の物語ですから、当時の音楽やグッズがいろいろと出てきます。
私はこの映画の登場人物たちよりは10歳ほど若いですが、思春期の頃に見聞きしたものがたくさん出てきたので懐かしさひとしおでした。
この作品は大きく分けてside-Aとside-Bという2部構成になっていますが、小説ではさらに細かく章立てされており、それぞれの章には80年代のヒット曲のタイトルが題名としてつけられています。
揺れるまなざし (小椋佳)
君は1000% (1986オメガトライブ)
Yes-No (オフコース)
Lucky Chanceをもう一度 (C-C-B)
愛のメモリー (松崎しげる)
君だけに (少年隊)
木綿のハンカチーフ (太田裕美)
DANCE (浜田省吾)
夏をあきらめて (研ナオコ)
心の色 (中村雅俊)
ルビーの指環 (寺尾聰)
SHOW ME (森川由加里)
映画版ではこれらの曲が各シーンのBGMとして流されます。
個人的にはオフコースの大ファンなのでYes-Noがかかったときは鳥肌モノでした。
松田翔太さんが演じるたっくんが乗っている車がトヨタの「スターレット」。
大学の先輩が乗ってたな~
その他、ソアラとかセリカXXとか子供の頃に憧れた名車が何気に出てきたりします。
リアトレイにボックススピーカーを置くとか今どきないけど免許取り立ての頃はやりたがったものです。
極め付けはカーステに挿入するカセットテープ。
「ガチャっ」ていう音がたまりません。
「あのテープ俺も持ってたぞ」と思いながら見てました。
たぶんマクセルのハイポジUDⅡじゃないかな。
一生懸命自分でラベル書いて貼ったりしてました。
実際に静岡市でロケ
『イニシエーション・ラブ』の舞台は原作者である乾くるみさんの出身地である静岡市。
ほとんどのシーンは静岡市でロケをして撮影されているんです。
私自身が5年間ほど静岡市に住んでいたことがあるので懐かしい気持ちで見てました。
まあ静岡に縁のない人にはまったくどうでもいいポイントですが・・・